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しゃもじ奉納と五百羅漢の羅漢寺






今日紹介するのは中津市本耶馬渓にある羅漢寺です。本当に由緒ある古寺で日本三大五百羅漢に数えられる素晴らしい寺なんだ。それと同時に、とっても面白いお寺でもあるんだよ

羅漢寺は夏目漱石や若山牧水も参詣した寺で、青の洞門からも近い距離にあります
耆闍崛山羅漢寺(きしゃくつせんらかんじ)
大化元年(645)印度より渡来した法道仙人は当山の霊峰に感動し、この地に静座修禅して羅漢寺を開いたと言われています。仙人がこの地を去る際に残した観世音像(エンブダゴン)は、この寺の霊宝として大切に保存されています。暦応の頃(1338)栄西禅師の法孫、円龕昭覚禅師(えんがんしょうかくぜんじ)がこの地を訪れ、耆闍崛羅漢精舎と号しました。これが当山、山号の由来です。その後、円龕昭覚は訪ね来た逆流建順とともに十六羅漢、五百羅漢など三千七百余体の石像を建造し、延文5年(1360)に完成、一千人余りの僧侶が集まり開眼供養が行われたといわれています。以来、臨済宗二十六代を経て、慶長5年(1600)長州深川大寧寺より鉄村玄鷟禅師が入山してから曹洞宗に改まり、現住職まで二十代となっています 平成15年10月現在

お寺は羅漢山の中腹あたりにあり、徒歩で約15分ぐらいでしょうか。有料だけどリフトもあります(羅漢寺駅まで3分・山頂駅まで6分)。仁王門が見たい人は参道を徒歩で上るといいでしょう

リフトは一人乗りで結構な急こう配。椅子に座るだけでベルトなんてないよ。落ちても怪我はしないだろうけど、ちょっとこわかった(笑)

羅漢寺駅で降りて少し進むと小さな小屋のようなものがありました。何だこれ。無数のしゃもじが打ち付けられてるやんか。羅漢寺は五百羅漢だけじゃなく、実はしゃもじ奉納寺院としても有名なのさ。そして大分にはここ以外にももう一ヶ所しゃもじを奉納するお寺があるんです。そのお寺はかなりの珍スポットなんですが、それはまた別の機会で紹介しますね

しゃもじに書かれた願いは、「縁結び・結婚できますように・いい出会いがあります様に」など良縁祈願に関するものがほとんどです。どうやらこの中には縁結地蔵尊があるみたい

山門に到着しました。右側の階段はリフトを使わずに徒歩で上った時のルートです

舞台があるので行ってみようか

舞台の上には千体地蔵が安置されています

千体地蔵
寺伝によると、室町期、普覚禅師という高僧がこの千体地蔵と十王尊を刻み安置したとされています。 納められている石仏の数は、1100体以上を数えます。また、舞台が設置されたのは、万延元年(1860)で、千体地蔵が安置されてから約500年後のことです

中には閻魔大王・五官王をはじめとする十王と、それらを囲むようにお地蔵様がいました

ものすごく古いのにお地蔵様一体一体の表情がはっきりわかります

山門が・・・岩にめり込んでるぅぅ。えらいことになってます
山門
仁王門と並んで昭和18年の大火災の難を免れた建物の一つです。室町幕府の三代将軍足利義満により建立されたといわれています。扁額の「耆闍崛山」は羅漢寺の山号で、禅宗の黄檗の三筆の一人、即非和尚が寛文6年(1666) 羅漢寺を参詣した際に書いたとされています

衝撃的な山門

扁額には羅漢寺の山号である耆闍崛と書かれてた。千社札もありますね

一番のメイン、釈迦如来坐像と五百羅漢が安置されている無漏窟(むろくつ)です

大小さまざまなしゃもじが奉納されてるけど、やっぱ異様だわ

こんな場所にまで

先達は修行のためとはいえ、とんでもない場所で五百羅漢を彫ったんだね。切り立った崖の下で、まさに窟

1年で700体以上ですか。どう考えても彫りすぎだろ。2人で彫ったって書いてあるけど、ほぼ1日1体ペース。修業とはいえ尋常じゃない数です。あと、この看板のすぐ隣におびんづる様がいました。1人だけ外に出されていてかわいそうだった
五百羅漢
延文4年(1359)逆流建順という偉僧がこの地を訪れ、昭覚禅師とともにわずか1年で700余体の石像物を建造しました。竣工の際には一千人の僧侶が集まり、開眼供養が行われたといわれています。羅漢とは釈迦の高弟(位の高い弟子)のことでそれぞれに名前があります。その第一の高弟に位置付けられているのがビンヅル(ビンドラバラダージャ)で、五百羅漢が安置されている無漏窟の外に座っています。これはビンヅルがあまりにも明晰で、釈迦の考えていることが全てわかるため、釈迦から敬遠され、外に出されたからだといわれています

中央に釈迦如来坐像、そしてその両側に五百羅漢が安置されてます

しゃもじの後ろに羅漢様がいました

五百羅漢は表情豊かでどの顔を見ても面白い。太っちょさんややせた人、いろんな人がいます

宇佐市の東光寺にも五百羅漢はあるけどこちらの方が約500年程年代が古く、国内最古級のものなんだって

普通サイズのしゃもじは一枚800円で販売。厄除けの焼印あり
杓子の由来
古来杓子は御飯をすくう。人を救うと言う所に通じます。当山は古きより絵馬として用いています

釘と金槌も用意されているので大丈夫だよ

無漏窟にあるしゃもじは健康や家内安全を願うものが多いです。英語やハングル文字で書かれたものもあるので、結構いろんな国から来てるんだなぁ

無漏窟の先には本殿があり、その横には極楽阿弥陀堂庭園入口があります。入園料は300円。極楽行くにもゼニがかかるんやなぁ。厳しい世の中だ、ふぅ

別名、地獄極楽というだけあって三途の川のお婆さんもいたよ。六文銭ないので許しておくれ
地獄極楽入口
悩みのある方はそっと極楽目安箱に杓子に書いてお入れ下さい。注、地獄には消失前の宝物殿にあった鬼の子のミイラ寫眞を飾ってあります

厳重に鍵のかかった地獄箱。たぶんこれに悩みを書いた杓子を入れるんやな。極楽目安箱っていうのはどこにあるのかわかりませんでした。多少暗いけど、地獄といっても服も汚れないスキップランランでいける整備されたかわいい地獄です

残念ながら昭和18年の火災で焼失してしまった鬼の子のミイラ写真です

あっという間に極楽へ。阿弥陀堂と呼ばれる場所で本堂の2階部分に当たります

阿弥陀如来立像

ここから眺める景色はきれいですね

極楽に架かる太鼓橋。左にいるのは十六羅漢でしょうか

極楽のなで犬。とりあえず、なでなでしといた

昭和18年に類焼にあい、昭和44年に再興された本堂です。しゃもじ奉納や五百羅漢が見どころなのは間違いないんですが、個人的には当時の山岳仏教って本当にすごかったんだなぁってことを痛切に感じました。こんな場所で修業。そしてひたすら彫りまくる。その上、開眼法要に1000人の僧侶がやってくるってどんだけなんだよ
(大分県:中津市本耶馬溪町跡田 羅漢寺)
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この記事へのコメント
しゃもじすごいよね。ここまでまとまってあるとある意味不気味です。だけどそれだけ悩みのある人が多いんだろうなぁ。出来れば、おいらの悩みもすくってほしいです(笑)
五百羅漢は本当に見ごたえあって、どこかに自分の知ってる顔があるとも言われています。さすが三大五百羅漢。そうそう仏や聖者のことを羅漢というそうですね。だからみんな頭がツルツルなんだって。今度髪の毛のある面白い石仏の記事を書きますね♪
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- うさ - 2011年12月11日 15:07:24
すごいしゃもじの数々・・・圧倒されそうです。
徒歩でも登れる距離でもリフトがあるのは足の弱い人には嬉しいですね^^
千体地蔵様のお顔も1つ1つはっきりとしていて、遠い昔の人の技術力の高さを感じてしまいます。
五百羅漢さまは1体1体みんなお顔が違っていて、優しそうだったり楽しそうだったり♪
柔らかい表情の羅漢様が多いのかなって思ってしまいます^^
歴史のある場所にはすごいことがたくさんですね^^